溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
水音と2人の吐息。
シーツがすれる音と、ベットの軋む音。
それの音たちが、花霞の耳に届き、目の前には彼の顔、そして彼の匂い。
すべてで彼を感じらて、花霞は幸せなはずなのに、切なさも感じてしまう。
不思議な感覚と気持ちよさに、つい瞳から涙が溢れてしまうと、椋はそれにすぐに気づき、「大丈夫?」と言いながら、指で涙を拭ってくれた。
「何だか、幸せだなって………幸せなのに………もっと欲しくて切なくなるの。」
「………花霞ちゃんは欲しがりだね。」
「ん…………。」
話ながらも、彼の動きは止まらず、花霞は甘い声が出そうになる。すると、彼は「声、我慢しないで。」と、言ってくるのだ。その言葉を何回言われてしまっただろうか。けれど、つい恥ずかしさから我慢してしまうのだ。
「でも、俺ももっと欲しい。だから、花霞ちゃんをもっとくれたら。俺もあげる。」
「………あげる。………あげるから、もっと椋さんが欲しい。」
「うん………。」
「っっ…………ぁ……………。」
そう言い終わらないうちに、彼は花霞の体を激しく求めた。
花霞はすぐに快楽の波に飲み込まれる。これで終わりではない。もっと彼を感じられる。もっと彼に触れていられる。
それがわかると、花霞は安心してしまう。
「…………花霞、好きだ。」
「うん………大好き、椋さん………。」
2人は熱を帯びた声で、言葉を重ねて、何度も何度も求めた。
それは、2人が本当の恋人になった日の初めの夜であり、本当の夫婦になった瞬間でもあった。
その長く甘い夜は、2人を幸せな時へと変えてくれた。