人間サイコロ
カズヤのキャラクターが画面上で動き、1マス目に止まる。


さすがにカズヤも緊張しているようで、何度も手を握りしめたり開いたりを繰り返している。


そして画面に表示されたミッションは……。


《生きている人間の乳房を食べること》


その内容にあたしは口元に手を当てた。


今までは自分自身が傷つく内容だったけれど、今度は違う。


相手を傷つけなければクリアできない内容になっていた。


途端にカズヤが振り向いて視線がぶつかった。


あたしは咄嗟に後ずさりをして逃げる。


今度の制限時間はたったの3分で、カズヤは考えている暇だって与えられていない。
そうなると、狙うのはあたししか……。


そう思った時だった。


カズヤは椅子から立ち上がると、引き出しの中からカッターナイフを取り出したのだ。


「嫌……やめて!」


左右に首を振り、懇願するように言う。
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