人間サイコロ
「なによ! もとはと言えばあんたのせいでしょ! あんたがゲームを探すなんて言い出すから!」


あたしは叫びながら立ち上がり、カズヤの胸を叩いた。


「あんたはいつでもそうだった! 同じ仲間なのに、あたしたちのことを見下してバカにして! ミホのことは奴隷みたいに扱ってた!!」


今まで言えなかったこと、我慢してきたことを吐露していく。


叫びながらも涙が零れ、どうしようもない感情が次々と湧き上がって来る。


「ミホはもう死んだ」


冷静なカズヤの言葉にあたしは目を見開いた。


「なんでそんなこと……」


「次はお前かもしれない」


言いかけた言葉は遮られた。


真剣なカズヤの視線。


あたしはグッと言葉を飲み込み、涙をぬぐった。


こんな言い争いをしている場合じゃない。


そんなこと、わかっていた。


「ここから出られたら、絶対にあんたのことを殺してやる」


あたしはカズヤを睨み付け、そう吐き捨てたのだった。
< 112 / 188 >

この作品をシェア

pagetop