人間サイコロ
コントローラーをイクヤに握らせ、ボタンの位置を教える。


長年ゲームをしていただけあって、イクヤはすぐにボタンの場所を把握した。


そして出た数は……5。


画面上でイクヤのキャラクターが5マス進む。


ゴールまではまだまだ遠く、とても辿りつけない。


たまにはマスに《ゴールまで進む》なんて、チート的な事が書かれていればいいのに、それもない。


表示された文字を確認したあたしは、大きく息を吐きだして俯いた。


「俺の止まったマスは、なんて書かれてるんだ?」


イクヤに質問されても、すぐには答えられなかった。


制限時間は1時間もある。


それくらい、簡単ではないミッションだったのだ。


「生き残りを1人殺す」


カズヤが冷たい声色でそう言った。


「え?」


イクヤが聞き堪えしたので、カズヤはもう1度同じことを言った。


「それが……俺のミッション?」
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