人間サイコロ
「そうだよ。こんなの、無視していいよ」


こんなのクリアできるわけがない。


人を殺すなんて、できるわけがない。


「そっか……」


イクヤは小さな声で呟いて、黙り込んでしまった。


なにか考えているのかもしれないけれど、口元を確認しただけではわからなかった。


あたしはイクヤの体を抱きしめた。


知らず知らず涙があふれて来る。


このミッションはクリアできない。


と、いうことは……イクヤはここで死んでしまうと言うことだ。


カズヤも何も言わず、あたしたちとは離れた場所に座り込んだ。


このミッションについて口出しをする気はないみたいだ。


「なぁ……」


イクヤがなにか思いついたように声をあげた。


「なに?」


「ここで、3人で死ぬっていうのは、ナシかな?」
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