人間サイコロ
そう言われ、あたしは一瞬目を見開いた。


「それって……?」


「ずっと、ユウのことが好きだったよ」


その言葉の意味を理解すると、イクヤの言葉が胸に溢れた。


イクヤからの『好き』の2文字を、あたしはずっとずっと待っていたのだと気が付いた。


ここに閉じ込められてから初めて、恐怖や絶望以外の涙が出た。


「あたしも、ずっとずっと、イクヤのことが好きだったよ……」


あたしはそう言い、イクヤの唇にそっとキスをしたのだった……。
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