人間サイコロ
質問しながら、背中が寒くなるのを感じた。


まるでゲームソフトが勝手に中古ショップの棚に紛れ込んでしまったような話だ。


「わからない。それに、ゲームを購入した大学生も、自分が購入した覚えがないと言っているんだ」


「嘘でしょ……」


「彼は中古でしかゲームを買わないから、中古ショップで売られていた商品だろうという憶測はできた。でも、購入した記憶はない。彼が購入した袋に勝手に紛れ込んだのかもしれない」


「そんな……」


そんな、得体の知れない出所不明のゲームだったなんて……。


「だけど彼はゲーム好きだ。1本ゲームが紛れていたことをラッキーだと思ってしまった」


「プレイしたんですか?」


その質問に、先生は左右に首を振った。


「彼自身はしていない。だけど、ゲーム研究会の学生だちが……」


そこまで言って、先生は口を閉じてしまった。
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