人間サイコロ
☆☆☆

「これは、先生のキャラクターを決めろってことですよね……」


あたしは画面前に立ってそう言った。


相変わらず新しいキャラクターを決める画面が表示されていて、ご丁寧に30分のカウントダウンまで始まっている。


あたしとイクヤが決めたキャラクターはすでにマスに立っている状態だ。


「そうなのか……」


先生は額に浮かんできた汗をぬぐい、コントローラーを手に取った。


「先生! あの時に持っていたお守りはないんですか?」


イクヤが思い出したようにそう聞いて来た。


すると先生はイクヤへ振り向き、そして渋い顔をして左右に首を振った。


「今日は持ってきていない……」


こんなときに限って、大切なお守りは持っていないみたいだ。


だけど、仮にお守りを持っていたとしたらこのゲームを見つけることはできなかったかもしれない。


自分たちで見つけられた分、幸運だと考えることもできた。
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