人間サイコロ
「先生、とにかくキャラクターを作ってください。このカウントダウンが終ると、先生は……」


そこまで言って言葉を切り先生を見た。


先生もあたしが言わんとすることを重々理解しているようで、大きく頷いた。


キャラクターを選び、名前を決めるとプレイ画面へと戻っていた。


次にサイコロを振るのは、あたしの番だ。


あたしは大きく息を吸い込んで、先生からコントローラーを受け取った。


今度はどんな残酷なミッションが待っているだろう。


まさか、自分がまたここに戻って来てしまうなんて考えてもいなかった。


心の準備は全然できていないけれど、カウントダウンは容赦なく進んで行く。


ぼーっとしている暇がないことは、もうわかっていた。


あたしは勢いよく息を吸い込み、サイコロを振った。
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