人間サイコロ
出た目の数は3だった。


その数字を見た瞬間、落胆のため息が漏れた。


普通のすごろくゲームならそんなに悪くない数だけど、このゲームでは6以外は出したくなかった。


画面上であたしのキャラクターが3マス進み、歩みを止める。


あたしは固唾を飲んで次の画面に切り替わるのを待った。


《自分の体にイレズミを入れる》


そのミッションにあたしは部屋の中を見回した。


イレズミを入れる時に必要なのは、肌を傷つける道具をそこへ流し込む墨だった。


「ミッションはなに?」


イクヤに聞かれて、あたしは素直に答えた。


ここで嘘をついてもなんの意味もない。


「イレズミ……」


「大丈夫だよイクヤ。イレズミの大きさは指定されていなかったから、指先にちょっと入れるだけでもいいはずだから」


あたしは早口にそう言い、釘を手に取った。
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