人間サイコロ
あたしはイクヤにコントローラーを握らせ、ボタンの位置を教えた。


イクヤはゴクリと唾を飲み、コントローラーを操作する。


「あぁ……」


出た数字に思わず落胆の声を漏らしてしまった。


「なんマスだ?」


イクヤにそうきかれてあたしは一瞬答えられなかった。


「ユウ?」


「うん……2マスだったよ」


残りのマスは一体どのくらいだろうか。


キチンと数えていないけれど、まだまだゴールまでは長い。


こんな調子でプレイしていては、あたしたちは途中で死んでしまうかもしれない。


「ミッションは?」


そう聞かれて、あたしは気を取り直して画面を確認した。


しかし、出ている文字を簡単に読むことはできなかった。


《手の爪をすべて剥ぐ》
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