人間サイコロ
6人分の手形を押す額縁と、1つだけ埋まらない額縁。


それを確認して、あたしは大きく息を吐きだした。


ゲームはやり直されて、今いる3人分の手形になっていないか少しだけ期待していたのだ。


しかし、その期待は外れてしまった。


「この画面はなんだ?」


先生に質問されたので、あたしはこの画面を見つけた経緯を説明した。


「ホナミがいてくれたら、ゲームはクリアだったのに……」


弾けとんだホナミの姿を思い出し、あたしは息を詰まらせた。


もう誰も、あんな風にはさせたくない。


そう思い、あたしは画面を元に戻した。


こうしている内にもカウントダウンは減っている。


「結局、ゴールにたどり着くまでクリアはできないってことか……」


先生はそう呟いて、サイコロを振ったのだった。
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