人間サイコロ
一緒にいる2人にバレバレなら、本人にバレている可能性も高い。


「もう……これから先どんな顔してイクヤと会話すればいいかわからない」


「何言ってんの。ユウのことが嫌なら、イクヤの方から離れて行くと思うよ?」


「そうだよ。ユウとイクヤっていつも一緒にいるじゃん」


2人の言葉にあたしはそっと両手を外した。


今にも泣いてしまいそうになっていたけれど、少しだけ涙が引っ込む。


「……本当に?」


「そうだよ。逆にさ、いつ告白するのかなってずっと思ってたくらいだよ」


ホナミが呆れ顔でそう言って来たので、あたしはまた両手で顔を覆った。


「告白なんて……考えてない」


くぐもった声で言うと今度はミホが「でも、イクヤもユウのことが好きだと思うよ?」なんて言ってくる。


仮にイクヤがあたしのことを好きだったとしても、告白する勇気なんてない。


だって、イクヤは男女共に人気があって勉強もできて、でもあたしは人気なんてなくて、勉強も中の中で……。


考えれば考えるほど、不釣り合いだった。

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