人間サイコロ
あたしはヨロヨロと立ち上がり、再び画面の前にたった。


プレイヤーの人数が少ないから当然ながら順番は早く回ってくる


あたしはコントローラーを手にして大きく息を込んだ。


今度はなんとしてでも6を出したかった。


ゆっくりゆっくり進んで行くスゴロクゲームなんて、やっている場合じゃない。


「なぁ、ユウ」


サイコロを振ろうとした時、後方からイクヤに声をかけられてあたしは動きを止めた。


「なに?」


「さっき、手形を押す画面を確認したんだよな?」


「うん、したよ。でも前回から変化はなかったの。ホナミの分だけ空欄になってた」


「それさ……もしかして先生の手形をはめれるんじゃないか?」


イクヤの言葉にあたしは「えっ」と、呟き、目を丸くした。


「先生の……手形……?」


「あぁ。今のプレイヤーは俺たち3人だけだ。俺とユウの手形はもう押してあるから、残りは先生の分になったんじゃないか?」
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