人間サイコロ
「これに乗ってください」
「あぁ、すまないな」
先生はほとんど腕の力だけで椅子に座り、あたしはそれを押して画面の前へと移動した。
「ここか……」
画面を見つめる先生がゴクリと唾を飲み込む音が聞こえて来た。
先生はさっきから気丈に振舞っているけれど、本当は怖いのだ。
手形を押してもダメだったらゲームは続行。
もしくはここにいる全員がホナミのように……。
あたし最悪の考えを、頭をふってかき消した。
大丈夫。
きっと、成功する。
あたしは振り向いてイクヤの手を握りしめた。
イクヤも痛いほどにあたしの手を握り返してきてくれる。
「3人で、ここから出ようね」
あたしがそう言うのと、先生が左端の額縁に自分の手をあてはめるのは、ほぼ同時だった……。
「あぁ、すまないな」
先生はほとんど腕の力だけで椅子に座り、あたしはそれを押して画面の前へと移動した。
「ここか……」
画面を見つめる先生がゴクリと唾を飲み込む音が聞こえて来た。
先生はさっきから気丈に振舞っているけれど、本当は怖いのだ。
手形を押してもダメだったらゲームは続行。
もしくはここにいる全員がホナミのように……。
あたし最悪の考えを、頭をふってかき消した。
大丈夫。
きっと、成功する。
あたしは振り向いてイクヤの手を握りしめた。
イクヤも痛いほどにあたしの手を握り返してきてくれる。
「3人で、ここから出ようね」
あたしがそう言うのと、先生が左端の額縁に自分の手をあてはめるのは、ほぼ同時だった……。