人間サイコロ
「そうだよ。ユウが好きな推理ゲーム。お互いの動向を確認して、いつ告白するかタイミングを考えるゲーム」


「告白をゲームだなんて思えないよ」


あたしは左右に首を振って答えた。


すると、ホナミがまた呆れ顔になってしまった。


「ゲームだと思えば気持ちを伝えやすくなるってことだよ? もちろん、告白をするときはお互いに本気」


そういうものなのかな?


あたしは2人の言っていることがいまいち理解できなくて、お弁当の残りの口に入れた。


「じゃないと、いつまでも告白できないじゃん」


ホナミの言葉にあたしは言葉に詰まってしまった。


確かに、その通りかもしれない。


重たく考えれば考えるほど、告白は遠のいていくのかもしれない。


そう思って「う~ん」と唸り声を上げた時だった。
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