人間サイコロ
☆☆☆

それから1時間はすぐに経過した。


とりあえずそれっぽいタイトルのゲームを集めてみたけれど、どれもホラーゲームだったり推理ゲームだったりして、ごくごく一般的なものだった。


「この中に危険なゲームがあるとは思えないけどなぁ」


イクヤがホラーゲームを手に取って呟く。


中には年齢指定されているゲームもあるけれど、単純に内容が過激だとか、映像がグロテスクだからであって、本当に危険なわけじゃない。


噂になるくらいだから、こういう一般的なゲームではないだろう。


「ねぇ、いい加減諦めてゲームしようよ」


ホナミがしびれを切らしてカズヤに声をかけた。


カズヤはまだ粘り強く、1人でゲームを探している。


「ダメだ。今日プレイするのは噂のゲームだ」


一度こちらへ顔を向けたが、そう言い切って再びゲーム探しに戻ってしまった。


あたしとホナミは目を見交わせ「あの集中力を勉強に生かせば、もっと真面な人間になれるのにね」と、笑い合った。
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