人間サイコロ
カズヤがドアノブに手をかけるが、ドアは動かない。


さすがに鍵がかかっているみたいだ。


「開かないね……」


ミホがそう言った時だった。


カズヤが思いついたように、部室のドアの鍵を取り出し、鍵穴に差し込んだ。


すると鍵はすんなりと開いたのだ。


「なんだ、部室と同じ鍵かよ」


カズヤはそう言い、にやりと笑ってドアを開ける。


ドアの向こうの部屋は真っ暗で、電気をつけないと周りを確認することができなかった。


壁際のスイッチに手を伸ばして付けてみると、オレンジ色の蛍光灯が何度か瞬きをしてついた。


「今どき裸電球か……」


イクヤがそう呟いて天井を見上げる。


コンクリートがむき出しになっていて、小さな縦長の窓が1つあるだけの寒々しい部屋だった。


中へ足を踏み入れた瞬間、全身に寒気を感じて身震いをした。
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