人間サイコロ
「この部屋ってなんだろう……」


ホナミも寒いのか、自分の体を抱きしめてそう呟く。


部屋の中は半分ほどが物に埋もれていて、なにが置いてあるかわからない状態になっている。


残り半分は先生の机とゲーム機、モニターが置かれているだけだった。


「ただの倉庫かもしれないな」


イクヤがそう言って段ボールの中を確認している。


隣から覗き込んでみると、その中には金槌や釘が入れられていた。


学校行事などで、生徒が使うものかもしれない。


「この部屋じゃなさそうだね」


ミホが部屋から出ようとした時「待て」と、カズヤが制止した。


それは決して抑圧するような声ではなかったが、いつもの条件反射でミホが立ち止まった。
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