人間サイコロ
「金庫がある」


カズヤは机の下をのぞき込んで言った。


「本当だ」


カズヤの隣にしゃがみ込み、イツキが言う。


あたしたちも確認してみると、確かに机に隠れるようにして金庫が置かれているのが見えた。


「大切な物を保管するには、金庫が一番だよな?」


カズヤが舌なめずりをして言う。


「そうだけど、鍵がない」


金庫は番号式ではなく、鍵なのだ。


番号なら何度か試すうちに開くかもしれないけれど、鍵だと開けることはできない。


それに、なんだか嫌な予感もしていた。


「よし、次は金庫の鍵を探そう。きっとこの部屋の中にあるぞ。大切な金庫の鍵だから、ガラクタみたいなダンボールの中にあるとは思えない。だとしたら……?」


カズヤが試すように言い、視線を机へと向けた。


そう。


残るは机の中しかない。


引き出しには左に1つ、右に2つの引き出しがついていた。
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