人間サイコロ
あたしは無意識の内にゴクリと唾を飲み込んでいた。


好奇心と、少しの恐怖。


その間でグラグラと揺れている自分がいた。


ホラーゲームは得意じゃない。


だけど、ゲームと聞くとどうしても興味が湧いて来てしまう。


カズヤが左側の引きだしを開けた。


中に入っていたのは部員たちの名簿と、入部届、その他の書類だ。


次はイツキが右側の引き出しを開けた。


中に入っていたのは印鑑やペン、事務用品だった。


あたしは大きく息を吐きだして、右下の引き出しを見つめた。


残るはここだけ……。


カズヤがそっと手を伸ばし、引き出しの取ってに触れた。


心臓がドクドクと早くなり、うるさいくらいに感じられた。


「開けるぞ」


カズヤの言葉に全員が固唾を飲んでその様子を見守った。


そして次の瞬間……。


ガラッと音がして、右下の引き出しが開けられていた。


その中にキラリと光る1つの鍵……。


「あった……」


ホナミが大きく息を吸い込んでそう言った。
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