人間サイコロ
「他に言いたいことがないなら、開けるぞ」


そう言ってカズヤは座り込み、金庫へ手をかけた。


あたしは固唾を飲んでそれを見守る。


みんな、静かだった。


それぞれの呼吸音しか聞こえてこない。


下手をしたら、心音が聞こえてしまいそうなくらい静かだった。


そんな静寂を破るように、カチャッという音が響いた。


カズヤがほほ笑みを浮かべて金庫を開ける。


分厚い扉はなんの抵抗もなく開き、中のものが姿を見せた。


「ほら、ヒンゴだ!」


カズヤが大きな声でそう言い、金庫の中からディスクを取り出した。


それはCDと同じ大きさのディスクで、透明なナイロン袋に入れられた状態だった。


確認してみても、ディスクは裏も表も銀色に輝いていて、なにも書かれていなかった。
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