人間サイコロ
しかし……画面は消えない。


あの包帯男がずっと表示され続けている。


「なにこれ、どういうこと?」


ホナミが混乱した声を上げる。


嫌な汗が背中を流れて行くのを感じて、あたしはゴクリと唾を飲み込んだ。


「もういい。部屋を出ようぜ」


さすがに気味が悪くなってきたのか、カズヤがそう言って1番に倉庫のドアを開けようとした。


でも……。


「開かない」


カズヤが小さな声でそう言ったのを、あたしたちは聞き逃さなかった。


「え……?」


イツキが呟く。


「ドアが開かない!」
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