人間サイコロ
カズヤが何度ドアノブを回してみても、ドアはビクともしない。


「嘘だろ? ちょっと貸してみろ」


イツキがカズヤの体を押しのけてドアを開けようとする。


でも、結果は同じだった。


ドアは押しても引いてもビクともしない。


カズヤは青ざめ、その場に座り込んでしまった。


「カズヤ、ここに入ってから鍵をかけたんじゃないのか?」


イクヤにそう言われて、カズヤは青い顔のまま左右に首を振った。


「ちょっと、鍵を貸してくれ」


イクヤはカズヤから鍵を奪い取ると、イツキの元へと向かう。


銀色に光る小さな鍵が鍵穴に刺さり……回してみるとカチャッと音がした。


その瞬間カズヤが大声で笑い始めた。


「あはははは! びびっただろお前ら! ドアが開かないなんて嘘だよ。鍵をかけておいたんだ」


そう言い、お腹を抱えて笑っている。


ホッとすると同時に怒りが湧き上がって来た。


コンセントを抜いたモニターはまだ赤々と光っているし、なんだかおかしい。


こんな状況でこんな悪趣味なことをするなんて信じられない。
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