人間サイコロ
カウントダウン、ゼロ
それから静かな時間だけが過ぎて行った。


相変わらず外へ出ることも、連絡を入れることもできないまま、体力だけが消耗されていく。


床に座り込んだり、先生の椅子に座って突っ伏したりしたまま40分以上が経過していた。


動いているのは画面上のカウントダウンだけで、残り5分になっていた。


「あれから55分は経ったんだね」


あたしの隣に座っていたホナミが呟いた。


「え?」


「カウントダウン残り5分でしょ? 最初は1時間だった」


そうだっけ。


ちゃんと見ていなかったから覚えていなかった。


「カウントダウンが終ったらどうなるんだろう」


少し離れて座っていたミホが、不安そうな声を出す。


「大丈夫だよミホ。ただのゲームなんだから」


あたしはミホの隣に移動して、その手を握りしめた。


女のあたしでもミホの手は小さくて細いと感じられて、守ってあげたくなる。

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