人間サイコロ
「冗談でもそんなこと言うなよ」


威圧的な声で言ったのはイクヤだった。


イクヤがカズヤの後ろに立ち、その腕をきつく掴んだ。


「この状況でなにもしないなんて、お前それでも男か?」


カズヤがバカにしたような声色で言う。


しかし、イツキもイクヤの意見に賛同した。


「もしなにをしてもいいんだとしたら、俺は真っ先にカズヤを殺す」


イツキの言葉に、カズヤはさすがに黙り込んでしまった。


監禁状態の中での冗談は、冗談にならない。


「あ、カウントダウンが……」


画面を見ていたホナミが小さな声で言う。


「え?」


振り向いて画面を確認しようとした次の瞬間、あたしの後ろでパンッ! と音がして、視界が真っ赤に染まっていた。

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