人間サイコロ
それは1秒ずつ確実に減って行っている。


「なんで? サイコロは振ってないのに!」


そう叫んだのはホナミだった。


次はホナミの番だったはずだ。


「……もしかして、サイコロを振るためのカウントダウンなんじゃない?」


あたしは画面に近づいてそう呟いた。


「なにそれ。絶対にゲームを進めろってこと?」


「わからないけど、それしか考えられえないでしょ?」


ミホはすでにゲームを失敗している。


それなら、このカウントダウンはサイコロを振るためのカウントダウンだと解釈するのが、一般的だと思えた。


「カウントダウンを無視したら、あたしもミホと同じようになる……?」


そう聞かれて、あたしは言葉を失ってしまった


そうかもしれない。
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