人間サイコロ
それくらいしっかり見なければ見えないくらい、小さな英字の羅列だった。


モニターが古いせいで、なかなか読み取ることができない。


あたしは机からメモ用紙とエンピツを取り出し、その文字を書き写して行くことにした。


「E……G-U……MAKIOJ……AH……OKU……KINOW……?」


なんのことだろう?


英単語になっているのかと思ったが、どうも違うみたいだ。


ローマ字読みしてみても意味が通じない。


「なにしてんだよ。時間がねぇぞ」


カズヤに言われてハッと我に返った。


見れば、カウントダウンはあと3分になっている。


あたしは慌ててコントローラーを持ち直した。


「なにが出ても受け入れる」


あたしは自分に向かってそう言い聞かせて、サイコロを振ったのだった。
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