人間サイコロ
出た目の数は4だった。


その数字に大きく息を吐きだした。


普通のスゴロクなら悪くない数字だけれど、暗澹とした気持ちになってしまった。


画面上ではあたしが選んだキャラクターが動き、4番目のマスで止まった。


そして、そのマスの文字が表示される。


《背中を焼く》


冷たい文字に全身が凍り付くのを感じた。


「背中を焼くって……」


そう呟いた時、カズヤたちはもう動き出していた。


ここにある道具の中から、使えそうなものを探しているのだ。


「ライターでも、マッチでもなんでもいい」


イツキがブツブツと呟きながら段ボールの中を探している。


「あ……あたしも……」


あたしはフラフラと男子たちに近づいて、一緒に道具を探し始めた。


イツキの言うようにライターでもマッチでもいい。


ほんの少し、背中を焼くことができればそれでいいんだ。


それ以外のミッションは書かれていなかったのだから。
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