人間サイコロ
「ぼんやりしてる暇はないぞ。次のカウントダウンが出てる」


カズヤにそう言われ、あたしはビクリと化体を震わせた。


あたしの次は……イツキの番だ。


見ると、イツキはゲーム機の前に座りコントローラーを手に持っている。


しかし、体が震えて思うように動かないみたいだ。


次は一体どんなミッションが待ち受けているのか?


きっと、今まで通り最低なミッションが繰り返されるはずだ。


あたしは痛みを我慢し、立ち上がった。


机の上に置いたままになっているメモ用紙を手に取り、再び座り込んだ。


「それなに?」


イクヤにそう聞かれ、あたしは首をかしげた。


「画面に出てた英語。でもなんのことかさっぱりわからないし、わかっても意味なんてないのかも」


「暗号文みたいなものか?」


そう聞かれてあたしは「たぶんね」と、答えた。


プレイヤーを惑わし、混乱させるための材料になっているかもしれない。


暗号を解いたとして、そこに待っているのは更なる地獄かもしれない。


それでも、前に進める可能性もある。
< 77 / 188 >

この作品をシェア

pagetop