人間サイコロ
「いくぞ……」


イツキが声を震わせて呟いた。


あたしはメモ用紙から視線を外して、イツキを見つめた。


カウントダウンは徐々に減っていて、それはプレイヤーの正常な判断を失わせていく。


「出た。5だ!」


その言葉に、あたしとイクヤは立ち上がった。


「5マスは大きいな……」


カズヤも真剣に画面を見つめている。


イツキの選んだキャラクターが、陽気な様子で5マス目まで移動していく。


そして出て来たミッションは……。


《舌に釘を打ちつける 10》


そのミッションを見た瞬間、イツキが頭を抱えて唸り声を上げた。


「大丈夫?」


あたしはそう声をかけ、イツキの肩に手をかける。
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