人間サイコロ
舌に釘を打ちつけるなんて、考えただけで恐ろしい。


普通ならできるはずのない行為だった。


だけど、釘と金槌ならホナミの時にすでに見つけてしまっていた。


カズヤはそれを手に取り、戻って来る。


「舌に打ち付けるって、どうすればいいんだ?」


そう言ったのはイクヤだった。


確かに、舌に釘を打ちつけるのは難しい。


やるとすれば机の上に舌を出し、机と舌を一緒に打ちつけることくらいだ。


そう考えていると、イツキが椅子から下りてその場に膝をついた。


そして、あたしが考えていた通り机の上に舌を乗せたのだ。


「カズヤ、すぐに終わらさせてくれよ」


「もちろん。わかってる」


その言葉を合図に、イクヤがイツキの体を後ろから抱きしめるようにして、拘束した。


イツキはきつく目を閉じて舌を出す。
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