人間サイコロ
カズヤはイツキの舌に釘を置き、それを容赦なく打ちつけた。


「グッ!」


舌を伸ばしたままのイツキがカッと目を見開き、低い唸り声を上げる。


咄嗟に逃げようとしているが、イクヤに拘束されていてその体は動かなかった。


釘の先端は柔らかな舌に突き刺さっているが、まだ机まで貫通していないようだ。


それから2度、3度と繰り返し金槌を振り下ろすと、ようやく釘は机まで到達した。


軟らかいけれど弾力のある舌が、釘に打たれて血に染まっている。


「できたぞ!」


カズヤが額に汗を滲ませてそう言い、画面へ視線を向けた。


しかし、その表情は一気に暗い物になった。


「どうしたの?」


そう聞きながら同じように画面を確認してみると、イツキのカウントダウンは進み続けているのだ。


「どうして? ちゃんとミッションクリアしたよね?」

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