人間サイコロ
逆さま
キツク目を閉じていたけれど、気が付いたらガンッ! という衝撃は消えていた。


そっと目を開けて状況を確かめる。


「イツキ……?」


声をかけてあたしとイクヤが手の力を緩めるた瞬間、イツキの体が後方へと倒れ込んで来た。


「イツキ、大丈夫か?」


イクヤの声に反応はない。


見ると、倒れたイツキの顔は真っ赤な血に染まり、口の中には血が溢れていた。


そしてイツキの目は白く濁り、どこも映し出してはいない。


「嘘でしょ……」


咄嗟に飛びのき、唖然として呟いた。


机の上には10本の釘が突き刺さった、イツキの舌が引きちぎれた状態で残されていた。


「イヤァ!」


それを見た瞬間悲鳴をあげ、目を逸らせてしまった。


10本もの釘を突き刺され、舌は耐え切れなかったのだ。

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