人間サイコロ
「待ってイクヤ。なにか、解読できるかもしれないから!」


この暗号文が吉と出るか凶と出るかわからない。


でも、今はこれだけが頼みの綱だった。


「EG-UMAKIOJAHOKUKINOW……」


英語じゃない。


ローマ字でも通じない。


じゃあ、後はなにが残っているだろう?


EならF、GならHとずらして読んでいく?


ダメだ。


それでも意味は通じない。


それなら逆にEをDに変換する?


これも違う。


次第に手は震えだし、汗が額を流れて行く。


「そろそろサイコロを振らないと、カウントダウンが終るぞ」


カズヤの声にイクヤが頷く。
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