人間サイコロ
「待って……ちょっと待ってよ!」


焦りから正常な判断ができない。


とても簡単な暗号のはずなのに、頭が働かなくて解読できない。


イクヤには……イクヤだけにはこんな思いしてほしくない……!


そう思った瞬間だった。


あたしは「あ……」と小さく呟いていた。


普段のゲームなら、これくらいの暗号すぐに気が付いていただろう。


「わかった」


「え?」


「わかったよ、この暗号の意味が……」


そう言うと、カズヤがあたしの隣に移動してきた。


「なんて書いてあるんだ? これでゲームは終われるのか?」


その言葉にあたしは黙り込んでしまった。


確かに、この暗号文の通りであればゲームを終えることができそうだ。


でも……。
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