人間サイコロ
残る額縁は1つ。


プレイヤーはあと1人だけど……。


「ミホ……」


あたしは愕然とした気持ちでそう呟いた。


ミホの体はバラバラに砕け散り、肉片はすべて片付けられていた。


片付けていなかったとしても、ミホの手を再形成することは難しかっただろう。


「あと1人……どうするんだよ」


イクヤが焦った口調で言う。


カウントダウンと確認してみると、サイコロを振るまであと30秒しかなかった。


「と、とにかくサイコロを振って!」


あたしはそう言ってイクヤにコントローラーを握らせた。


考えている時間はない。


このままじゃイクヤが次の犠牲になってしまうのだ。


「くそ……! 結局続きをやらないとダメなのかよ!」


イクヤは吐き捨てるように言って、額の汗をぬぐう。


どうにか、残った3人でここから逃げ出したい。


でも、手形を押すことができなければ、途中で終わることはできない。
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