薬指に愛の印を
「ああ、日替わりランチにするの?ちょっと待ってね」

せとかは、学食のおばちゃんに日替わりランチを注文する。オメルの日替わりランチのお金も払った。

「はい、お待たせ!日替わりランチだよ!」

おばちゃんがニコニコしながらオメルに日替わりランチを渡す。オメルはランチを受け取った後、微笑んでいるせとかに「シュクラン」と言う。

アラビア語の知らないせとかは微笑むしかできないが、オメルが話したことに友達や周りの人はみんな驚いていた。

シュクランがアラビア語で「ありがとう」という意味だとせとかは知り、嬉しくなった。

その日の放課後、せとかはオメルに「マアッサラーマ!(さようなら!)」と言い立ち上がる。その時、オメルがせとかの腕を掴んだ。

「ん?どうしたの?」

オメルは自分のスマホに文字を打ち、せとかに見せる。それは日本語に翻訳された文章だった。

「どうして僕にたくさん話しかけてくれたの?」

せとかは文章を読み、スマホを取り出す。
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