薬指に愛の印を
そう言ってオメルがせとかを連れて来たのは、ギザのピラミッド群だ。

「写真で見た時よりすごい迫力だね」

ピラミッドとスフィンクスの写真を撮りながらせとかが言う。ピラミッドを構築している石の一つ一つも大きく、人の背丈ほどある。

「三つの巨大なピラミッドを写真に収めたかったら、少し先のピラミッド・パノラマから撮るといいよ」

オメルがそう言ってくれたので、せとかは移動してピラミッドの写真をカメラに収めた。

次に二人がやって来たのは、ガーマ・ムハンマド・アリだ。高台に位置しているので、テラスからはカイロ市内が一望できるとオメルは教えてくれた。

巨大なドームとミナレットが美しいモスクだ。その美しさにせとかは見とれる。

「中はもっとすごいよ」

オメルがせとかの手を引き、中へと入る。せとかは「わあ……!」と辺りを見渡した。

内部には、巨大なシャンデリア、たくさんのランプ、そしてステンドグラスが輝いている。
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