【企】あなたに恋した夜は
「ユウさん…」
「もしかしてずっと待ってたのか!?」
私はコクンと頷いた。
頷いた瞬間、抱きしめられた。
温かい…
「親戚が倒れて見舞いに行ったんじゃなかったのかよ…」
え…?
耳元で聞こえたその言葉に、疑問を感じずにはいられなかった。
「なんで知ってるの…?」
そう聞くと、やっぱりか、とため息をついた。
……………?
「この補習、進学がかかってるんじゃないの?」
頭の中に浮かぶのは、たくさんの“?”マーク。
私、なんで知ってるのか聞いたんだよね?
「まだわかんないのかよ…さすが毎時間授業聞いてないだけはあるな。」
「私、バカだからもっと簡単に言ってくれなきゃわからない!!」
このままだとますます頭の中がこんがらがっていく…
「俺の名前、知りたい?」
あ!まだ聞いてなかったんだった!!
「知りたい!!」
私はじっと彼を見た。