【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
そのすぐあと。


「ナギ先輩っ」と制服に一年生用の赤いリボンを結んだ、要するに一年生がナギちゃんの机に歩み寄ってきた。


一年生なのに二年のクラスに臆することなく入れてすごいなぁ。


横目でなんとなくちらり。


うわぁ、可愛い子……。大きな瞳が嬉しそうに、向かい合うナギちゃんをみている。


「メニューのことなんですけど斎藤先生が」


部活の話かなぁ。となるとあの子はサッカー部のマネージャーなのかな。


「あの子、ナギのこと好きっぽいね?」


という声に顔を上げれば、彗だ。


「そうなの?」


「どう見てもそうでしょ。ナギってサッカーうまいし、マネ人気抜群らしいよ」


「へぇー」



中学の時からモテるもんなぁ。灰野くんと張り合えるくらいにバレンタインチョコ貰ってたもん。


彼女もとっかえひっかえ選び放題だったっけ。


ナギちゃんはいつになく真剣な顔で話し込んでいる。


けど時折見せる人懐っこい笑顔に、容赦なくノックアウトされているマネージャー。


天然物だなぁ……ナギちゃん。

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