【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
廻りを見ると、もう教室に誰もいない?


「えぇ!?彗とリホちゃんに置いていかれちゃった!」


「ほんとだ。ふたりっき・」


二人っきりと言いかけてやめた灰野くんの言葉に、体温0.5度上昇。


灰野くんはグラウンドのナギちゃんを見て、それから視線を教室のあたしじゃないところにずらした。


「なんかなぁ……」


不満げな灰野くんのぼやき声。

気になって顔を上げると、彼はふいっと顔を背けてしまった。


……どうしたの?


「灰野くん?」



「そうやって……俺ばっかり見てたらいいじゃん」



灰野くんは視線をあたしに向けた。


目と目が合う。

しかも逸らすなって目が言っているみたいに、強い。


な、な、な……。なに……!?



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