【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

「……面白がんな」


「いや面白いだろー!」


「もういいよ。俺がダサかった。それだけだよ」


「わたしは聞いちゃったけどー」


ひょこっと顔を出したのは、デッキブラシを両手で抱えてにやりと笑うリホだ。


「何をどこまで聞いたんだよ……」


「全部かなぁ?」


「女子って怖すぎ……」


俺もう何も言わない。
なにもしない、藍田さんに。


そう心に誓った時。


「うそだよ!ああ見えて胡桃ちゃんって秘密主義だから。核心ははぐらかしてばっかりだよ」


「あ……そうなんだ」


「口堅いんだよ、胡桃ちゃん」


よかったね?じゃねーよ。




< 145 / 400 >

この作品をシェア

pagetop