【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「はー……」
ほんとに仲がよろしくて。
それ、親友以上のやつじゃん。
「で?昨日なにがあったって?」
にやり。ナギは笑う。
その顔……絶対お前知ってんだろ。
「……藍田さんは口堅いんじゃなかったの?」
リホと彗は知らないのに。なんでナギは知ってんの。
デッキブラシで乱暴に底をこする。
「胡桃は、俺以外には口固いから安心しとけ。俺にはツーツーだけど」
勝ち誇ったような笑みに見えるのは、気のせい?
「……へぇ。仲いいね」
それしか感想出てこねーわ。
「まぁ仲はいいよな」
「ふーん……。それで?」
何がいいたいわけ?
「胡桃が、”灰野くんは鈍感すぎる”って騒いでたよ」
「……鈍感って」
藍田さんに言われたくない。
俺はあんなに鈍感な人にこの先も出会う気がしねーよ。