【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「……愚痴っていい?」


「もちろん」


ナギちゃんは、ふぅっと息を長く吐いた。


「一軍でもずっと下の方だったけど最近調子出てきたとこでさ、今からって感じだったんだよ」


「うん」


続きを促すように相槌を入れると、ナギちゃんは言葉を詰まらせた。


「これのせいで、しばらく練習できないし、つーか歩けもしないし。治してリハビリして、そこからやっとサッカーしても……」


……もう遅い。


小さな弱音が聞こえて、あたしはナギちゃんの傍にしゃがんだ。


すぐそこの顔と目が合う。



「……ナギちゃん頑張ってたもんね」


「……はぁー」


「後悔してる?」


「それはない」


「そっか」



ナギちゃんらしくて、胸が痛いよ。


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