【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「な、ナギちゃん?」
「はぁー。……眠い……しんどい……痛い……」
思いを伝えきったナギちゃんは片腕であたしを抱きしめた。
「ちょっと?ナギちゃん!?」
「……嫌?」
そんな目で訊く!?
「嫌ってことは……」
でもどうしたらいいの?
こんなの、心臓がきつい。
ドキドキしない方が無理だよ……。
「胡桃の顔赤い。見せて」
「もう……!やだよ……」
視線を横にずらしたあたしは今、絶対に絶対に真っ赤だ。
「こっち向けよ」
「ナギちゃん!」
「いい匂い。このまま寝たいなぁー……」
「目、目開けて!本当に寝ちゃうの?!」
ナギちゃんから寝息が聞こえてきた。
そんなに眠かったの?
寝ぼけてたのかな?
ドキドキする胸を落ち着けるように深呼吸して、あたしはベッドからそっと降りようとしたとき。
ピーピーピーと点滴からアラームが鳴って飛び起きた。
「ななな、ナギちゃん!?」
起きない!!
ナースコールと書かれたボタンを押した。
『はいどうしましたー』
「点滴が!!鳴ってます!ピーピーいって、ナギちゃん、寝た?気失った!?」
『はーい、今行きます』
ブチっとナースコールが切れてすぐ、看護師さんが来てくれた。
すぐに点滴の機械を操作して、アラームが止まる。