【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
無事コンタクトを装着した視界で見た灰野くんはさっきの一億倍輝いて見える。


「……どうした?」


「ううん……なんでもないです」


どきどきするだけです。


バス停に並んで立っていると、すぐに緑色の車体が停まった。


乗客のほとんどがうちの学校や近隣の高校の生徒みたい。


ぎゅうぎゅうの車内に唖然としながら進む。


「藍田さん、大丈夫?」

「う、うん、平気……」




(―――扉が閉まります)


アナウンスが入ったけど、閉まるのか心配になる程度には、人でいっぱいだ。



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