【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
ナギちゃんはベッドの横に立てかけられている松葉づえを手繰り寄せて、ベッドから降りた。
「よいしょ」
「もうそんな、歩けるの?」
「ん?松葉づえあれば全然。もうリハビリも始まってるしな」
痛そうに時折顔を歪ませているのに。
「大丈夫」ときけば「余裕」って返される。
「心配だし、付いて行ってもいい?」
「え、いいけど……」
真っ白な壁の続く廊下。
出てすぐ天井にぶら下がる標識を見つけた。
一つ目の角の向こうにトイレがあるらしい。
「結構遠いね」
大丈夫なのかなぁ?手術したばっかりなのに。
ナギちゃんの前方に邪魔にならないように立って、両手を前に構えてナギちゃんに合わせて歩く。
「胡桃、その手なに?」
「ナギちゃんがいつ転んでもキャッチできるように」
「ぷはっ!俺、そんな運動神経悪くないけど」
「でも万が一!」
と言ったすぐあと、ナギちゃんはふとあたしの後ろへ視線をずらした。
「あれ?灰野だ」
「え!?」
両手をナギちゃんにむけたまま、ナギちゃんの視線を追って、くるっと後ろを振り向いた。
すると本当に、灰野くんがいるんだもん。
どきんと心臓が跳ねあがった。
「よいしょ」
「もうそんな、歩けるの?」
「ん?松葉づえあれば全然。もうリハビリも始まってるしな」
痛そうに時折顔を歪ませているのに。
「大丈夫」ときけば「余裕」って返される。
「心配だし、付いて行ってもいい?」
「え、いいけど……」
真っ白な壁の続く廊下。
出てすぐ天井にぶら下がる標識を見つけた。
一つ目の角の向こうにトイレがあるらしい。
「結構遠いね」
大丈夫なのかなぁ?手術したばっかりなのに。
ナギちゃんの前方に邪魔にならないように立って、両手を前に構えてナギちゃんに合わせて歩く。
「胡桃、その手なに?」
「ナギちゃんがいつ転んでもキャッチできるように」
「ぷはっ!俺、そんな運動神経悪くないけど」
「でも万が一!」
と言ったすぐあと、ナギちゃんはふとあたしの後ろへ視線をずらした。
「あれ?灰野だ」
「え!?」
両手をナギちゃんにむけたまま、ナギちゃんの視線を追って、くるっと後ろを振り向いた。
すると本当に、灰野くんがいるんだもん。
どきんと心臓が跳ねあがった。