【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「なになに?俺と胡桃がふたりっきりなのが心配で来ちゃった?」


ナギちゃんがにししっと笑うと、


「俺はそんな器小さくない」


そう灰野くんが返して、ナギちゃんは吹き出した。



「そーだよなぁ。灰野の器の広さは世界レベルだもんなぁ。おっとっとー」


よろけたナギちゃんがあたしの肩に覆いかぶさるように、倒れ込んだ。


ほら、言わんこっちゃない!


「大丈夫!?」


かたくて意外と細い体をがしっと掴んで上体を支える。


ナギちゃんは「ちょっとよろけたわー」と灰野くんに笑った。


「お前なにしてんだよ!」


「仕方ないだろー俺骨折れてるし。彼氏器広いから許してくれるよな?」


「うっざ!」


「あははっ」


二人は仲が良いのか、悪いのか、むかしから微妙なライン。

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