【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
病名恋わずらい
灰野伊吹 Side*
◇
キスの約束をした。
そんなハイレベルなことができたのは、ひとえに”ナチュラルハイ”のおかげだと思う。
藍田さんに告白した2日前からおれはトータル4時間くらいしか眠れていない。
盛った。授業中ほとんど寝てたから4時間てことはないけど。
かといって今日も寝不足な俺は、くらくらとした頭を抱えて、校門をくぐり、空を見上げる。
でも、キス今度しよう、っていつだろう。
まぁいっかー……。あとで考えよ。
今はとにかく眠い。
雲がゆっくり流れていくのを何の意味も無しに眺めていると、後ろから誰かが走って来る足音が聞こえて、ふいに振り返った。
「……っ、おはよ!灰野くん」
……藍田さん。
どんなに寝不足でぼけーっとしていても鼓動は強まっていくらしい。
「おはよ」
朝から可愛いなぁ、藍田さん……。
ふわっと、笑みがこぼれる。
「灰野くん……笑ったら、やばい……」
藍田さんはすぐに俯くよね。
もっと見たいのに。
俺で、赤くなった顔。
働かない頭で俺は言った。
「ちゃんと見せてよ」
顔を覗き込もうと首を傾ける。
藍田さんはなんでそんなに下ばっか見てんの。
手を伸ばす。
ぷにっと、頬に指が触れた。
「柔らか……」
びっくりするほど触り心地いいんだけど。
「はっ、灰野くん……?!」
長い睫毛。大きな目がまん丸になって、余計に童顔。
赤い頬、赤い唇。
なんかもう、藍田さんって全部柔らかそう。
「……かわい」
◇
キスの約束をした。
そんなハイレベルなことができたのは、ひとえに”ナチュラルハイ”のおかげだと思う。
藍田さんに告白した2日前からおれはトータル4時間くらいしか眠れていない。
盛った。授業中ほとんど寝てたから4時間てことはないけど。
かといって今日も寝不足な俺は、くらくらとした頭を抱えて、校門をくぐり、空を見上げる。
でも、キス今度しよう、っていつだろう。
まぁいっかー……。あとで考えよ。
今はとにかく眠い。
雲がゆっくり流れていくのを何の意味も無しに眺めていると、後ろから誰かが走って来る足音が聞こえて、ふいに振り返った。
「……っ、おはよ!灰野くん」
……藍田さん。
どんなに寝不足でぼけーっとしていても鼓動は強まっていくらしい。
「おはよ」
朝から可愛いなぁ、藍田さん……。
ふわっと、笑みがこぼれる。
「灰野くん……笑ったら、やばい……」
藍田さんはすぐに俯くよね。
もっと見たいのに。
俺で、赤くなった顔。
働かない頭で俺は言った。
「ちゃんと見せてよ」
顔を覗き込もうと首を傾ける。
藍田さんはなんでそんなに下ばっか見てんの。
手を伸ばす。
ぷにっと、頬に指が触れた。
「柔らか……」
びっくりするほど触り心地いいんだけど。
「はっ、灰野くん……?!」
長い睫毛。大きな目がまん丸になって、余計に童顔。
赤い頬、赤い唇。
なんかもう、藍田さんって全部柔らかそう。
「……かわい」